野球のとらえ方④

スポーツとして野球を楽しむこと,競技として勝ちを目指すこと。この一見相反する二つのことを,どのように両立させていくか…今回はその辺について考えてみたいと思います🙇

キーワードは「少年野球」「バランス」ではないかと思います👍

まず,私が指導している野球は「少年野球」だということを私自身しっかりと意識しておく必要があります。それは,子供たちの体が成長中の発展途上期にあるということです。簡単に言うと,「体が完成しておらず,まだまだ弱く故障しやすいので,無理はできない。」のです。この時期の子供たちの特徴を一番端的に表している言葉が「骨端線」だと私は思います。骨端線とは,レントゲン写真を撮ったときに手や足などに写る線です。これは,そこで骨がさかんに成長しているところで軟骨細胞でできています。20歳ころにはこの線は消え,軟骨細胞はしっかりとした骨の細胞に置き換わります。軟骨細胞なので当然柔らかく,強度な負荷をかけると損傷しやすいところです。子供たちの手を触ってみると,関節が柔らかくてぷにゅぷにゅしているかと思いますが,そこが軟骨細胞だそうです。この軟骨細胞が骨に変わり,骨端線が消えるまでは子供たちに大きな負荷がかかる運動は控えた方がよいと言われています。負荷が大きくかかる箇所として少年野球で一番指摘されているのが,投球する方の肘や肩です。投げ方にもよりますが,投球することで大なり小なり負荷がかかります。ここに過度の負荷がかかるといわゆる「野球肘」などになってしまい,将来的にも後遺症が残ったり,その後のパフォーマンスに大きな影響が出る可能性があります。このような状態にならないように指導者はうまくコントロールしなければなりません。最近はピッチャーの投球数に制限を設けるケースも多くなってきましたが,まだまだ指導者にまかせられているのが現状です。いろいろな考え方はあるかと思いますが,私は全力で投げる投球数は,小学生では1日50~60球程度を目安にしています。(痛めるときは,1球投げただけでも痛める場合もあるそうなので,とても難しいのですが…)

ということで,「少年野球」ではこうした子供の体の特徴をよく理解して試合や練習をすることが大切だと思います。ですから,「試合の目的は相手チームに勝つことである」のですが,「少年野球」では,子供たちの体の成長に配慮して試合や練習を行い,勝つことよりも子供たちの体のことを優先にしなければならない場合があることを,肝に銘じていきたいと思います。一生を通して野球を楽しむという,子供たちの将来を守るために…

もうひとつのキーワードが「バランス」です。「試合の目的が相手チームに勝つこと」である限り,チームを強くしたいと思うのはどの指導者も同じだと思います。そのためには,普段の練習が大切になります。練習のやり方にもよりますが,やればやるだけそれなりに成果が出てくるものです。ですからたくさん時間をかけて練習の量を増やしたくなるのですが,やりすぎて故障してしまっては元も子もありません。成長期である子供たちの体を考えて,練習の質と量も「バランス」よく行うことが大事だと思います。

また,子供たちへの野球の指導についてですが,「言い過ぎ」ても「言わなさ過ぎ」てもいろいろ不都合が出てくるのではないでしょうか。例えば,常に言い過ぎていれば子供たちが受け身の姿勢になりやすく,自主性が育ちにくくなります。逆に言わなさ過ぎて見守るだけでは,子供たちが我流に陥り,投球や打撃などの基本的な動きを身に付けにくくなります。このように指導面でもやはりちょうどよい「バランス」が大事なのではないかと思います。

今回もいろいろ長々と書いてしまいましたが,強引にまとめるとこんな感じですかねぇ~

少年野球では,みんなで楽しみながら勝ちを目指せれば最高ですね~😍そして,子供たちの成長に伴う体の特徴を十分に踏まえて,心身共にバランスの取れた指導を心掛けていきたいと思います‼️‼️

※ みなさまから「コメント」を書いていただけるようにしましたので,よろしければコメント記入欄からコメントをお願いします。さかのぼって,これまで書いたブログにもコメントできますので,合わせてよろしくお願いします🙇

野球

Posted by S監督