学童新人大会青葉区予選①(VS上杉スワローズ)

新人戦が始まりました。当団は6年生が1人。ですから、これまでの試合でも5年生以下の子供たちが中心となって戦ってきました。そんな経験豊富な?新人チームが自分たちの代となって最初の公式戦。どんな戦い方をしてくれるか、試合前から興味津々でした。とにかく、今までやってきたことを普通にやってほしい…ただそれだけでした。子供たちに指示したのは技術的なことは何もなく、「とにかくみんなで声を出そう」でした。

試合が始まってみると…やはり野球は難しい。子供たちは緊張していたのでしょう。普段当たり前にやっているプレーができません。例えばピッチャーのコントロールやテンポ。内野ゴロを捕球した後の一塁への送球。止めるべき外野への打球が抜けて長打になっていく…。こちらがやりたいプレーが何一つできない中で、相手の上杉さんは運も味方につけて、やることなすことすべてがいい方向に行き、完全に上杉さんに流れが行ってしまいました。おまけにこんなケースで、ベンチが一番してはいけないこと…それは選手を叱責すること。人間のできていない私はあまりのふがいなさに何人かの選手を叱責しました。自分では喝を入れる意味もあったのですが、冷静に考えると間違いなく叱責です。試合中の叱責は何もいいことがないことを分かっていながらやっちまった😣…そんな絶望的な状況にありました。

楽天元監督の野村克也さんの名言に「負けに不思議の負けなし。勝ちに不思議の勝ちあり。」という言葉がありますが、まさにそんな試合でした。結果から書くと、皆さんよくご存じの通り、絶望的な展開からの逆転勝ちを収めました。

では、なぜ勝ってしまったのでしょうか。要因はいろいろあるのでしょうが、劣勢の試合の中で私が子供たちに言い続けてきたことは、「苦しい時こそ笑って元気を出そう。」と「このような苦しい時にどのようにふるまうかが大切。」でした。これらのことは、この試合中に始めて言ったのではなく、最近の練習や試合の際によく投げかけていた言葉です。どのチームにも言えることでしょうが、子供たちのメンタル面の弱さを常々感じています。うまくいかなかったり、劣勢に立たされた時に、途端に元気がなくなったり、あからさまに表情に出したり…。この点について、「チームの課題」として意識的に声掛けをしてきました。

子供たちは最後まであきらめることなく、劣勢を耐え、気持ちを切らすことなく前向きに向かっていきました。その結果としての最終回の守備。キャッチャー、ファースト、センターと立て続けにいいプレーが出て、完全に相手に行っていた「試合の流れ」をこちら側に引き寄せることができました。

試合後のミーティングで、「うまくいかなくて苦しい時にこそ、あきらめずに声を出して頑張れた」ことが、とても大きかったことをみんなで確認しました。常々我々監督やコーチから言われていることを、大切な試合の中で実践でき、成功体験として結果を残せたことが、今後の子供たちの成長につながっていくことと期待しています。

最後に、決して褒められた試合ではありませんが、子供たちにとって、そして我々指導者にとっても大きな一勝となりました。(上杉スワローズさん、対戦ありがとうございました。)

野球

Posted by S監督